2023年10月に自動車関連企業様において実施
事前のヒアリングでは、主に次のような課題が明らかになりました。
- 若手社員の2年目での早期離職が発生している。
- 退職理由として「この会社は自分には合わない」という声が多い
- 社内にパワハラはないはずだが、若手を育てようという意識が希薄である
- 上司世代は現場経験から仕事を覚えてきたため効果的な指導が分かっていない
- 物覚えが悪い若手社員に少々イラついている場面も見られる
また、管理職にはプライドが高い人が多いため、講師の私に同世代として寄り添いながら研修を行って欲しいとの要望もありました。私は現在52歳で青春時代は昭和でしたし、若手社員だった30年前はネットもパソコンも無く、怖い上司に睨まれながら現場経験を中心に仕事を覚えてきた世代です。したがって、過去の時代環境や風土を認めた上で令和の変化について言及したところ一定の理解を得ることができました。人は写し鏡のようなものです。若手社員の変化を肯定的に受け入れるためには、上司世代のやり方を上から否定するのではなく、これまでの取り組みを肯定的に理解することが不可欠となります。
明日からの指導を改めるきっかけになった
実施後のアンケートでは次のような感想が寄せられました。
- 昔に比べて素直で真面目な子が多いのに何か違和感をもっていましたが、その原因がどこにあるのか分かりました。モヤモヤした感覚が無くなりました。
- 不便が無い話とそれは若者の責任ではないという言葉に納得しました。はっきりと言い切ってもらったおかげで明日からの指導の方向性が定まりました。
- 興味深い面白さと真面目な現実的なポイントのバランスが良い研修でした。高校生や大学生と多く関わっている体験は若手を知る上でとても貴重な話でした。
- 若者の二極化の話にとても納得した。まさに私の日常での様子を言い当てていた。現場だけが抱え込まないようにして組織として取り組むように会社側も考えなければならない。
- 以上のように若手社員の育成を考える上で良いきっかけになったという声が目立ちました。ちなみに役に立たなかったという意見はゼロでした。その中でも若手社員の二極化の傾向とその対策に関する話への反響が大きかったようで、その後の職場において様々な意見が交わされたというご報告もいただきました。
この研修は、これはダメです!こうしなさい!と教育や指導の方法を一方的に押しつけるのではなく、時代の変化を受け止めて若手社員の育成のあり方を考えるきっかけを与えるのが目的となっています。今回の気づきを今後の持続可能な組織づくりに役立てていただくことを願って止みません。